2007年10月14日日曜日

卒論

2−ⅲ 投資銀行と格付け機関

格付け機関の構造的問題と証券の複雑性
サブプライムローンを筆頭に,政府系金融機関に売却できないローン債権は,民間の投資銀行で証券化された。
そしてこれらの証券化商品を民間の格付け機関が評価し,その評価に沿って市場で売買が行われた。
しかし、ショック後に格付け機関責任論が唱えられたようにこの格付けは事後的に見て必ずしも正しいものではなかった。
それだけならSECの言うように今後競争原理によりより妥当な格付けが行われうるのであろうが,この問題には格付け機関の収益構造という面での問題があった。
というのも、格付けを依頼し,格付けに対する対価を支払うのは証券発行者、つまり投資銀行であったからである。
彼らがほしがったのは一定以上の格付けであり、それ以下であればそれ以後わざわざ対価を支払ってまで格付けを取得しようとはしない。
そうなると格付け機関には、証券化ローンに対する格付けというマーケットを維持・拡大するために、評価を甘くするインセンティブが働いてしまう。
そこへきてCDOなど証券構造が複雑であったために,このインセンティブがより働きやすくなった懸念もある。
もちろん純粋にその複雑性から評価を誤ったのかもしれないが、少なくとも構造的に問題があることは指摘されるべきであろう。

1 件のコメント:

四天王 さんのコメント...

>格付け会社内に証券化などを指南する部門と格付けを行う部門とが並存しているのを問題視し、分離を求める意見もある。当局は過剰介入に慎重、対応協議。(10・14日経)

>■商品の設計にも関与
焦げ付きリスクの見方が妥当だったかにも、疑問が呈されている。ポイントは、それぞれのローンやRMBSとの間の債務不履行の「相関」、いわゆる連鎖の可能性だ。

 相関が0なら「無関係」、1なら「必ず連鎖する」となり、低いほど格付けは上がる。サブプライムで、S&Pは債務不履行が同時多発する可能性は低い、とみていた。格付け会社の元アナリストは「格付け会社はRMBSなどの商品の設計段階から関与していた」「証券会社から持ち込まれた商品を高い格付けにするため、『相関』でやりくりしていた」と明かす。証券会社は高い格付けがほしいし、格付け会社にも、証券会社からの手数料は魅力だ。
(http://www.asahi.com/business/topics/TKY200709070028.html)