2007年10月28日日曜日

lol

世間一般では 東大生は優秀なんでしょうが
僕はけして 優秀ではありません
東大というくくりで見なくても 優秀では無いでしょう
ずいぶんと頭の回りが鈍くて もてあましております
最近は富に ぼうっとしてしまうことが多くて
なんだか気分も 落ち着きません
なんでこんなところで こんなことを書いているんでしょうか
人間の行動ですから 何がしかの意図があるはずですが

わかっているんです
きっと親が 見ているはずですから
きっと そういうことです
尤もいまいち自分には
どういうことか わかりませんが

わかってくれれば 幸いです

2007年10月23日火曜日

卒論

3-ⅲ 資金調達の難化-CP,M&A

信用収縮
サブプライムローンを受けて銀行など金融機関はそれまで潤沢に供給してきたマネーの金利を引き上げ、信用収縮が起こった。
こうなるとまず、資金借り入れコスト自体が高くなるが、中でも渦中のサブプライムに関連したABCPを発行して短期資金を調達していた金融機関やファンドは買い手がつかない状況に陥り、経営が立ち行かなくなるものも出てきた。(破綻件数)
同時に、M&Aなど資金借り入れが必要な銀行部署においても問題が発生した。
M&Aでは、通常LBOなど自らの負担分の数倍の資金を調達するのが一般的であるが、金利上昇により買収資金コストが上昇、あるいはそもそも信用収縮が起こっているために資金を確保できないといった事態が発生した。
実際、欧米ではファンドによる10億ドルを超える買収案件(例)がほぼ停止している。(日本ではペルミラによるアリスタ買収(10月末)が報告されている)
また、企業株価が下落し、買収価格が割高になる事例、あるいは買収先の業績悪化により買収採算が合わなくなるという事態も発生した。
こうした案件のうち、少なからぬ案件が反故にされた(水面下で不成立になった案件も当然多数あったはずで、実際の損失はさらに大きいと思われる)が、それらについても買収契約成立後であれば違約金支払いが請求されうる。
またあるいは法廷闘争を選択した場合においてもコストがかかる。
こうしたすべてのコスト負担を考慮するとM&Aを担当する部署に対する負担は大きい。
市場の総額で見てもM&A分野は振るわず(資料あり?)、とりわけ8月の米国M&Aはここ数ヶ月で最低の水準で、500億ドル程度まで落ち込んでいる。(トムソン:米国のM&A by日経)

卒論

2007年10月21日日曜日

卒論

3−ⅱ 投資の縮小(偏り)-円キャリー解消、国債投資

(直接的被害に書くべきか)
・サブプライム関連投資縮小←サブプライム関連商品からの移行、ABCP
投資銀行は,証券化ビジネスのために多額の裏付け債権が必要であったため,ローン業者から多額のサブプライム関連債権を買い取り,保有していた。
そうしたところにサブプライム焦げ付き懸念の高まりを受けて関連商品に買い手がつかなくなったことにより、これらの投資銀行は多額の評価損を計上することになった。(レバレッジドローンのこと?)
また、自身や傘下のファンドが保有していた関連商品の評価損など、ディーリングでの損失も発生した。

国債投資
サブプライム関連商品から引き上げた資金のうち再投資されたものは、ショックの反動によって安全資産である国債などに集中した。(マイピクチャ、10年もの米国債価格推移)
その後徐々に株式などに振り分けられ(10月半ばにはダウが高値)、国債価格も下がってきているが、未だにサブプライム関連投資はふるわず、ABCPなどはサブプライムが1%でも入っていると買い手がつかないという。

円キャリー解消
円キャリー取引とは、低金利の円を借り入れ相対的に高利回りの外貨あるいは外国株式で運用することをさす。
円安を背景に数十兆円規模で行われていたとされる。
サブプライムショックにより解消が進み、円高を引き起こしたが、現在のところ焦げ付きは報じられていない。
ただし、現在再度円キャリーを行う投資家が増加しているため、万一サブプライム関連で米国実体経済の顕著な停滞など更なるマイナス要因が現れた場合などは、NY株価の下落により、今後焦げ付きが発生する可能性も否定できない。
そうした場合、貸し手の日系金融機関に多額の損失が発生する可能性があり、注意が必要である。
http://tanakanews.com/070806crisis.htm

投資資金と過剰流動性
今回のショックを受けて大きく縮小されるかと思われた世界的な過剰流動性だが、その後も顕著であり、石油市場に流れ込んで空前の石油価格高を記録し、あるいは株式に舞い戻ってダウ平均(ナスダック?)を大きく上ぶれさせている。
しかしショックをはさんで投資先分野に変化が見られる様になっており、偏りがある。
これを如何にして不足分野(ABCP、M&Aなど)にまわすかが今後金融業界の課題となることは明白であり、そのためには不安解消による信用回復が必須である。

2007年10月20日土曜日

閑話休題 ゼミ予習

・MM理論
「ある条件(租税の無い完全競争)の下では、企業の価値はその資本構成に影響されない」
http://www.bmd.nakamura-u.ac.jp/~kikkawa/07zaimukanri_point4.pdf
⇔ペッキングオーダー理論

・マーシャルのK(MV=PTからM=kPYへの移行)←何の意味があるのか?
k=M/PY

←フィッシャーの交換方程式(貨幣数量説) MV=PT
V(PT/M)=貨幣の流通速度
P=物価(インフレ率)
T=財の取引量
これをGDPの流れと関連させるため、T(財の取引量)をY(実質GDP)に置き換えた上、MV=PY とする。
このMV=PYの両辺をVで割るとM=1/V*PYが得られる。ここで1/VをKと置きかえてM=kPYと表わすとき、係数kは「M(マネーサプライ)/PY(名目GDP)」として定義され、現実経済の議論の俎上に耐えうるものとなる。

・トービンのq(←完全市場前提?)
企業の株式総額/資本の再取得価格

←1より小さい=資本現在価値>将来キャッシュフロー(過小評価はありえない)→資本を売ったほうがいい
1より大きい=資本現在価値<将来キャッシュフロー→資本によって再生産するほうがいい

2007年10月19日金曜日

不可

を取ってしまったので、落ち込んでいます。
これで今学期はゼミ(&卒論)だけという試みが崩れ去りました。

はぁ…

また明日から更新します。
たぶん。

2007年10月15日月曜日

卒論

3 投資銀行業における損害

3-ⅰ サブプライム関連商品による直接的損害

投資銀行は証券化により商品を組成するだけでなく、自らトレーディングを行い、あるいは傘下に投機的なファンドを持つ。
それゆえに、サブプライムショックを受けた関連商品の値下がりは、投資家としての彼らにとって直接的な打撃となった。
以下、米欧日について代表的な投資銀行機関における損害を見ていく(10月15日現在)。

・アメリカ

シティ レバレッジドローン、サブプライムローン債権、信用取引で33億ドル
JPモルガン レバレッジドローン、モーゲージ、モーゲージ関連で21億ドル
モルガンスタンレー 14億ドル(?)
メリルリンチ サブプライム、レバレッジドローン関連で55億ドル
GS 約15億ドル
リーマン 7億ドル
バンカメ レバレッジドローン、モーゲージ関連で10億ドル
ベアスターンズ 9億ドル 住宅ローン分野縮小、傘下ファンドが大量損失

等等、多額の損失を被った金融機関が数多く、また経常収益が赤字に転落するものも多い。

・欧州

HSBC サブプライムローン関連子会社閉鎖に伴い9億5000万ドル
BNPバリパ 傘下3ファンド解約凍結
クレディスイス 投資銀行部門などで損失(額不明)
ロイヤルバンクオブスコットランド ?
バークレイズ サブプライム消費者金融事業を損切り
UBS 34億ドルの評価損
ドイツ銀行 ローン債券、M&A融資など22億ユーロ(3600億円)

など、ここでも多額の損失を計上している機関が多数ある。
特にUBSの34億ドルは際立って大きい。
米国同様、欧州でも被害は大きいといえるだろう。

・日本
野村 1500億円
大和 ?
三菱UFJ 50億円
SMBC 数十億円 
みずほ 売却損6億円
あおぞら 45億円
新生 34億円

日本の銀行では、住宅ローンについては基本的に高格付けのものに投資していたため、それほど損害はなかった。
三菱UFJを含む大手6銀行合計で損失が100億円程度である。
対して、震源地アメリカに進出し、住宅ローン証券化などを行っていた野村證券は日本の金融機関で唯一欧米並みの巨額損失を計上している。
しかし、全体的に見て欧米よりはるかに損害は軽微であるといえよう。
また、地銀を見ても全地銀をあわせても損失は54億円と、損害は軽微である(07/9/4現在)


なお、日米欧いずれについても、損害についてはあくまで現在時点(10/16)のものであり、この後も損失拡大する恐れが残っている。

・株価下落による資本価値の収縮

卒論

2−ⅳ 金あまりと拡散

・世界的過剰流動性
先にも少し触れたが,放漫融資が行われた背景には放漫投資がある。
そしてその背景にあるのが、世界的な過剰流動性である。
資金が有り余っていたため,投資家はより高い収益を上げる投資先を探すことに積極的で、しかしながらリスクには甘くなっていた.
この過剰流動性を引き起こした要因を,以下に4点挙げる。

まずは原油価格高騰を背景にした原油売り上げ収入の拡大があげられる。
近年の原油価格は記録的な高水準1バレル80ドルあたりまで高まっている。
http://www.shinnikko-hd.co.jp/ir/library/market/img/oil.gif
これにより大量のドルが市場に供給されていると見られる。

次にアジア各国の中央銀行による自国通貨売り介入がある。
これは、輸出競争力維持のために自国通貨高を抑制するため,中央銀行が行った自国通貨売り介入が結果として多額の外貨準備を積み上げることとなり,これが市場に流入して過剰流動性となっているというものである。
外貨準備の増額はロシアと殊に中国で顕著である。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20070608/126917/graph1.gif

さらに円キャリー取引がこれに拍車をかける。
これは超低金利である日本円を借り、為替取引や有価証券投資で運用するもので、かねてから問題視されていた。
日銀は国内市場で過剰流動性が認められないために利上げに慎重であったが,国際的な要求の高まりもあって利上げに踏み切っている。
しかしサブプライムショックの段階でも金利は0.5%と圧倒的に低く,円キャリーは継続されていた。

そして最後に挙げるのが,日本の家計部門からの流入資金の拡大だ。
貯蓄から投資が声高に叫ばれる中,資産の運用法として投信や株式、あるいは外為への投資が増え,またその投資を信用取り引きでレバレッジする等していたため,日本家計からも多額の流動性が供給された。

・米国住宅価格の継続的上昇
殊に住宅関連分野における活発な投資の背景には,90年代前半からの継続的な住宅価格上昇がある。
直近(06年度)では下げているが、こうした長期にわたる住宅価格の上昇が市場参加者の感覚を麻痺させ,バブルを形成するに至った一要因であることに疑いの余地はないだろう。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20060920/110172/060922graph1.gif

・格付けへの盲目的な信頼
市場では格付け機関が大きな信頼を持ち、その格付けが取引に深く影響している。
しかし格付け機関はあくまで民間機関であり,その格付けは一主観でしかない。
今回の騒動で露呈したように,その格付けの透明性についても問題が残るのに加えて、前項目でも触れたように、格付け機関は構造的な問題も抱えている。
こうした格付けが投資家の間で絶対化され、格付けに依存したリスク管理が行われたことも被害の拡大を助長したのである。

投資銀行の関与
これらを総合すると,金が余ってリスクに甘くなり,特定機関の主観的な評価にそって投資が行われていたと言える。
そこに投資銀行によって多くのサブプライム関連商品が提供されていたため、世界的にこれらの商品が拡散し,被害地域が拡大するに至ったと言える。

(参考)http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20070608/126917/

http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/L9/190304.htm

2007年10月14日日曜日

卒論

2−ⅲ 投資銀行と格付け機関

格付け機関の構造的問題と証券の複雑性
サブプライムローンを筆頭に,政府系金融機関に売却できないローン債権は,民間の投資銀行で証券化された。
そしてこれらの証券化商品を民間の格付け機関が評価し,その評価に沿って市場で売買が行われた。
しかし、ショック後に格付け機関責任論が唱えられたようにこの格付けは事後的に見て必ずしも正しいものではなかった。
それだけならSECの言うように今後競争原理によりより妥当な格付けが行われうるのであろうが,この問題には格付け機関の収益構造という面での問題があった。
というのも、格付けを依頼し,格付けに対する対価を支払うのは証券発行者、つまり投資銀行であったからである。
彼らがほしがったのは一定以上の格付けであり、それ以下であればそれ以後わざわざ対価を支払ってまで格付けを取得しようとはしない。
そうなると格付け機関には、証券化ローンに対する格付けというマーケットを維持・拡大するために、評価を甘くするインセンティブが働いてしまう。
そこへきてCDOなど証券構造が複雑であったために,このインセンティブがより働きやすくなった懸念もある。
もちろん純粋にその複雑性から評価を誤ったのかもしれないが、少なくとも構造的に問題があることは指摘されるべきであろう。

卒論

2−ⅱ 証券化と放漫融資

ローンの売り手と返済先(リスク保有者)の乖離

前述のような必要性から住宅ローンの証券化が行われるようになったのであるが,これは構造的な危うさを秘めていた。
本来リスクテイクするはずの貸し手がリスクを負わないのである。
従来であれば貸し手である銀行は原資を自らの抱える口座から貸し出しているため,常にローンの回収を念頭に置いていたがが、証券化ローンにおいては直接の売り手であるモーゲージバンク等は投資銀行等証券発行者にローン債権(金銭の授受を行う前段階でも契約により(?)発生するようだ)を売り渡すので,その後のローンの回収がうまく行こうが行くまいが収益には直接関係しない。
極端に言えば,債務不履行に陥っても短期的にはかまわないのである。(むろん、債務不履行が増えればローン債権にたいする信頼が薄れ,ニーズがへる為に自身の売り上げも落ちるのであるが,ある種のナッシュ均衡が働くために(自分が売らなくても他が売り,結果としてバブルははじけ売り上げは減る=自分も売っておいた方が得)債務不履行リスクに頓着しなくなる)
それゆえ,最前線の住宅ローンの売り手の審査基準は畢竟甘くなり、住宅価格の継続的な上昇も手伝ってホームエクイティローンなどで放漫な融資契約が多く結ばれることとなった。(サブプライムローン総額推移のグラフ)
当然ながらこれは後のショックを拡大した一要因となった。

投資銀行の関与
前項目でも触れたように,垂直化によって投資銀行も住宅ローン販売領域に進出していた。
それと同時に,ある面では証券化を行う主体でもあり、それゆえ未証券化のローン債権、あるいは未販売の証券化ローンを常に保有しており、またある面では自身も多額の住宅ローン関連証券を保有する投資家であった。
通常、証券化主体、投資主体は債権を保有することになるため、債権に対して適切な評価を行うインセンティブがあるが、格付けに頼りすぎていたことなどもあり結果的に見て過度に楽観的なリスク認識に立っていたため、行き過ぎた融資に歯止めをかけることができなかった。

放漫投資
しかしこの問題も、投資家としての投資銀行の楽観的な姿勢に見られるように,そもそも証券化商品が売れるという前提のもとに発生したのであり、放漫融資は放漫投資の結果であると言える。
この放漫投資については、同章ⅳ 金あまりと拡散 において述べることにする。

2007年10月13日土曜日

卒論

2 投資銀行の関与
2−ⅰ 証券化とその必要性

住宅ローンには、オリジネーション(ローン組成)、サービシング(債権回収)、そしてセキュリタイゼーション(証券化)という3つの段階がある。
このうち投資銀行が手がける部分がセキュリタイゼーションである。
セキュリタイゼーションの必要性については
・ローン原資の調達(ローン組成側)
・リスクの投資家移転による商品の幅の拡大(ローン供給者・被供給者側)
・投資家ニーズ(投資家側)
の3側面から説明できよう。

まず、ローン原資の調達についてであるが,証券化によって資金を投資家から調達することが可能になると,貸し手はローン原資を直接手元に保有する必要がなくなる。
つまり、それまで銀行など一定以上の資金力を有する機関にしか開かれていなかった住宅ローン分野に,資金力を持たない企業が参入することができるようになったのである。
これにより、モーゲージバンクと呼ばれる住宅ローン専業の会社が数多く生まれた。
次に商品の幅の拡大についてであるが、証券化以前は長期の固定金利融資を民間で行うことは困難であった。
これは、金利変動リスクを吸収することが難しかったためである。
しかし、証券化によりリスクを投資家に移転すること(金利のスワッピング)によって、民間の企業でも固定金利融資を行うことができるようになった。
また、投資家は様々な種類のリスクを求めているため,証券化されるローンの種類も単純な固定金利,変動金利だけでなく、それらの組み合わせ,あるいはインタレストオンリーローン等様々なものが売り出されるようになった。
そして最後に投資家ニーズについて述べる。
先にも触れたように,投資家は様々な種類のリスクを求めている。
これは、一口に投資家といっても銀行や生損保など安定的・長期的な投資を主とするものもいれば、ファンドのようにハイリスクハイリターンを狙う投機的なものもおり、加えて彼らは投資手法として分散投資を行うものだからである。
そういった投資家にとっては,住宅ローン債券という投資分野があること自体まず有益であり,加えてCMO・CDOなどリスクトランシェがなされることにより住宅ローン債券の中でもより投資家個々のニーズにあった金融商品が提供されることになる。

垂直統合
また投資銀行業界では、2000年代に入ってからモーゲージバンク等オリジネーション・サービシングを行う金融機関を買収により取得し、ローン(主にサブプライムなどアセットクラスのローン)関連事業を垂直統合しようとする動きが見られた。
この目的は,垂直化によるコストカットと証券化するローン債権の安定的な取得の2点であると思われる。
実際,この分野で先行していたリーマンブラザーズなどは着実に利益を上げ,また住宅ローン証券化における裏付け資産の自前調達率も2006年12月時点で過去数四半期において50%強を確保するなどの実績をあげていた。
そうしたこともあり,垂直統合に踏み出す投資銀行は多く,またその経済的規模もメリルリンチのファースト・フランクリン買収(13億ドル)に見られるように巨額なものが多く、投資銀行を中心に大規模な市場再編が見られた。

2007年10月12日金曜日

更新が

滞っております。

明日には、必ず…!

2007年10月10日水曜日

卒論

2 投資銀行の関与

ⅰ 証券化とその必要性

以下では,ローンの貸し手と借り手、証券化商品の買い手と売り手に分けて証券化に対するニーズを考察する。

・貸し手(ローン組成元)
ローンの貸し手に必要なものはまず原資であり、関心事はいかに確実に回収できるかである。
ローンの証券化によって、原資を投資家から集めることが出来るようになったが、これはそれまで銀行などまとまった資金を保有する機関でなければ参入できなかった住宅ローン分野に、資金力を裏づけとしない企業も参入できるようになることを示す。
また、原則貸し倒れなどのリスクは投資家が保有してくれるので、ローン会社はそういったリスクから開放される。
この特性ゆえに、従来難しかった固定金利の住宅ローンを民間で行うことも可能になった。

・借り手
借り手の最大の関心事は、いかに低金利で融資を受けられるかにある。
これについては,米国で政府系金融機関が証券化を行っているように,公的性格を持つ機関がその信用力を担保として債券発行するため、証券化ローンそのものの貸出金利も最終的には低く抑えることが可能となる。
しかし、サブプライムローンのほとんどは政府機関への売却基準を満たしておらず、民間金融機関による証券化がほとんどである。
ただ、世界的な金余りなどを背景に、サブプライムローンにおいても金利は実際のリスクより甘く評価されていたようである。

・買い手
証券化商品の買い手として、ここでは金融機関あるいは機関投資家やファンドを想定する。
さて、金融機関や機関投資家は比較的低リスクな商品を、対してファンドは高リスク商品を保有する性質があり,また彼らは分散投資を行うがゆえに商品の多様性を求めている。
住宅ローン証券化商品はその意味でも多様性を担保するものであり,またリスクトランシェにより各投資主体の選好するリスク性質をもった商品に加工可能であることから、市場のニーズに合致していると言える。
さらに米国では政府系金融機関が証券化に関わることが多かったため,市場規模・信用の点から見ても証券化商品は魅力であった。(サブプライムは民間)

・売り手(発行体)
米国では主に,プライムローンにおいてはジニーメイやファニーメイなどの政府系金融機関が住宅ローン証券化を行っている。
サブプライムローンについては,これら政府系金融機関に売却できる基準を満たしていないことから民間企業が発行体となっている。
政府系機関による証券化が行われていることなどから、住宅ローン証券化商品が買い手にとって身近なものになっており、また多用な形態で発行されたため、商品は売り手から買い手にスムーズに流れていた。
そのことも手伝って、ローン証券化は、モーゲージバンクなどローンの販売と証券化を一括して行う機関にとって、自らリスクを保有することなく収益を上げることができる画期的な手法であった。
リーマンブラザーズなど米国大手投資銀では、これらのモーゲージバンクを買収する動きもあったが、それもこうした利益の観点からであろう。

2007年10月9日火曜日

卒論

1−ⅴ 中央銀行による歯止めと鎮静、残る不安

・歯止めと鎮静
今回のショックの収束において際立った点は、日米欧各国の中央銀行が足並みを揃えて介入を行った点であろう。
これは8月9日からの連日の資金供給において顕著である。
そしてその介入は全体的に見て,成功したように思われる。
以下では米欧日の順に見ていく。

・米国
FRBが傘下のニューヨーク連銀を通じて,9日に約240億ドル、10日には2回に分けて約350億ドルを供給するなどし、8月21日現在で9日以降の資金供給は総額1012億5千万ドルに達した。
また、FRBは金利の引き下げも行い,公定歩合を8月17日には6.25%→5.75%に,一ヶ月後の9月18日にはさらに0.5ポイント下げて5.25%とした。
またFF金利についても、9月18日に0.5ポイント下げ5.25%とした。
これにより,市場に大きな安堵感が広がった。

・欧州
資金供給総額で見た場合には,欧州が日米欧2カ国1地域の中で最大である。
ECBが9日から13日までの3営業日で実施した資金供給の合計は約2035億ユーロに達した。
また、インフレ懸念から利上げしたい意向を示しながらも欧州また世界市況に配慮して(10月)現在に至るまで利上げを見送り、ユーロ圏13カ国に適用する政策金利を4.0%にとどめている。

・日本
日銀は8月10日から16日までに3度にわたり総額2兆円の即日供給オペを実施し、米欧の中央銀行と足並みを揃えた。
ただしこの間14日には資金吸収オペを2度にわたって行い,計1兆6000億円を市場から吸い上げている。
これは市場金利が誘導目標の0.5%を下回る水準で推移していたためである。
また、超低金利から脱却するための利上げ姿勢を堅持しながらも、ECB同様(10月)現在に至るまで利上げを留保している。

・残る不安
各中央銀行の迅速な対応により、市場不安は一応の収束を見た。
しかし、依然として金融機関に隠れた損失があるのではないかという疑念と、今回の問題がどこまで実体経済に影響するかなど未知数の点があり、市場の不安はぬぐいきれていない。
これは、CDOやCDO Squareと呼ばれるような複雑な構造を持った証券化商品が広く普及したため、格付け機関はおろか保有者自身にあっても、その具体的な損失額を見極めるのが困難となっていることによる。
また、このショックがどの程度震源地米国の個人消費に影を落とすかが不透明である以上、例えば直接的には米国内需要に依拠した活動を行う企業への評価などが確定せず、したがってそれらの企業の株価(の一部)も手探りの状況におかれることになる。

また、そもそもの原因の究明と今後の対策も具体的な課題として残っている。
これは、住宅バブルはなぜ形成されたか、そもそもどこが適正価値とバブルの境界であったのか、また高度化した金融手法の功罪といった点であり、そういったところに対してどのような教訓を見出し金融市場を整備していくかということであろう。
現在アメリカで議論されている民間格付け機関の責任論、今後の処遇などがこの範疇に含まれる。

これらの諸問題が解決、あるいはそれらに対する明確な指針が明らかにされた時点で初めて、市場の不安が払拭されるのである。

2007年10月8日月曜日

卒論

1-ⅲ サブプライム関連商品の拡散-多重加工・金余り・リスク評価

前述のような証券化商品は、債権を小分けにして投資家に販売するために債権者数の増加を伴う。
加えてサブプライム関連商品は、多重加工という商品面での要因とそれゆえにリスク評価が困難であること、金余りを背景とした世界的景況感や米国不動産価格の継続的な上昇などによりその拡散に拍車がかかった。

・多重加工
すでに述べたように、住宅ローン→MBS→CMO→CDOの順に債権が加工され、金融商品としての特性が明確になるとともにその構造も複雑になる。
そのため、商品の性質に合わせて、例えばCMOやCDOのシニア債、メザニン債など低リスク部分は銀行など金融機関や機関投資家、リスクの高いエクイティ債はファンドなどに流通しやすくなり、金融のグローバル化も手伝って世界各地に拡散した。(表:CDO世界流通量推定→ABS,CMO)
しかしその複雑性ゆえにそうとは知らず結果的にサブプライムローン関連債券を組み込んだCDOを購入するケースも増えた。

・リスク評価
リスク評価の基準には、主に民間の格付け機関による格付けが用いられた。
しかし、商品の加工段階が進むにしたがって細かな部分の評価を行うことが困難になり、評価が甘くなっていった。
この背景には、格付け機関の収益源が格付け対象証券の発行元であるという収益体制のゆがみがあったとも指摘されている。
ともかく、この高い格付けを裏づけとして市場で売買が行われたため、流通が促進され、また新たな証券化が促されて市場規模も拡大していった。

・世界市況
ここ数年間、世界的な流動性過多が指摘されているように、グローバルマーケットには資金があふれていた。
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2006/2006honbun/image/i1111000.png:マーシャルのK=マネーサプライ/名目GDP)
それゆえにより高いリターンを望める投資が好まれるとともに、放漫な投資も行われるようになっていた。
そのため、アメリカの住宅バブルが指摘されながらも投資を見直すものは少なく、高い格付けも手伝ってサブプライム関連商品に対する投資は増加していた。

以上3つの要因が相乗効果的に当該商品の流通・市場規模拡大を促し、世界に広くサブプライム関連商品が行き渡ることになった。

2007年10月7日日曜日

卒論

1-ⅱ サブプライムローンリスクの移転-証券化

証券化とは、貸出債権や不動産などを裏づけに証券を発行し、第三者に売却することを指し、これらの発行証券を総称してABS(Asset Backed Securities)と呼ぶ。
この目的は言うまでもなく、融資資金を早期に回収し、損益を確定させてしまうことにある。
金融先進国である米国では広く普及しており、殊に住宅ローンは証券化されやすい資産の代表である。
米国の統計によると、2006年に国内で組成された不動産担保ローン(約2兆5千億ドル)のうち、実に8割近くが証券化され、販売されているという。
このうち、プライムローンはファニーメイなど政府金融機関によって、またサブプライムローンは民間金融機関によってそれぞれ証券化されており、その比率は3:1程度であるとされる。

具体的な証券化手法については、(R)MBS・CMO・CDOやABCPなどが挙げられる。
MBS(Mortgage Backed Securities)とは、ABSのうち、資産として特に不動産担保融資を裏付けに発行されたABSを指す。
このうち特に民間の住宅ローンを裏づけにしたものをRMBS(Residencial -)という。
特徴としては、パススルー証券であり、裏付けであるローンが利子率低下による借り換えなどによって繰り上げ返済されうることが挙げられる。
ゆえに、債券のデュレーション(残存期間)が定まっていない。
このリスクを避けるために開発されたのがCMO(Collateralized Motrgage Obligation)であり、繰上げ償還の時期などを基準にトランシェを行うことで、もとのパススルー証券のもつリスクを回避することが出来る。
また、MBSやCMOを他の社債やABSと一緒に組み込んで組成するCDO(Collateralized Debt Obligation)という金融商品も存在している。
そのほか、短期の資金調達のために金銭債権(ここでは住宅ローン)を担保として発行するABCPなどがあり、これも証券化商品である。
リスクの移転という観点から考えると、MBSやCMOが販売されれば発行者はリスクを完全に移転できるのに対して、ABCPでは発行元がリスクを持ち続ける形になる。

2007年10月5日金曜日

卒論

1-ⅰ

サブプライムローン(米:subprime lending)は、主にアメリカ合衆国において貸し付けられたローンのうち、優良顧客(プライム層)向けでないものをいう。
この論文で扱うものは、中でも住宅ローンである。

・サブプライム層
サブプライム層とは、過去に延滞や破産などの経験を持つ、あるいは資産・所得に比して負債水準が高いことなどにより、信用が低い人々である。
定量的には、貸し出しにおいてFICOのクレジットスコアが660点以下のものがこれに当たるとされる。
この基準において判断すると、2006年上期の貸し出しにおける1/3がサブプライムローンとみなされる。(件数ベース)
(表1)
また、残高べースで見た場合には、同年度末のモーゲージローン残高総額9.6兆ドルのうち、サブプライムローンは1.3兆ドルとなり、全体の13%超を占めることがわかる。
(表2)

・ハイブリッド型ARM・インタレストオンリーローン
ローンの種類には複数あり、固定金利、変動金利、あるいはそれらの組み合わせなど多用な方式が存在する。
このうち、特に問題となっている種のローンが、ハイブリッド型ARMと呼ばれるものである。
ARM(Adjustable Rate Mortgage)とは、変動金利制のローンであり、通常1年もの国債の利回りに2~2.5%程度のスプレッドを上積みした金利を貸すもので、1年ごとに金利が見直される。
ハイブリッドARMとはこの変形であり、当初数年間の支払い金利が低く抑えられる代わりに、一定期間を過ぎると利率が急激に上昇するローンである。
また、2年程度利子返済のみ求められ、元本返済しないでよいというインタレストオンリーローンと呼ばれるものもあるが、これも優遇期間を過ぎると支払額が急膨張(ペイメントリセット)するものである。
借り手は住宅価格の上昇を前提としてこれらのローンを組んだ。
これらのローンとホームエクイティローンが組み合わされて負債が膨張し、また破綻が先送りされた。
ホームエクイティローンとは、担保たる住宅の価値が上昇した場合に、その評価価値の上昇分を新たに借り入れることが出来るローンである。
このローンにより調達された資金は、借り換えやその他の消費行動に向かった。
2001年に住宅価格が上昇してからモーゲージローン残高が急増しているが、その主な要因はリファイナンスであり、当時の低金利政策とともにホームエクイティローンが関与していることが考えられる。
(表5)

・延滞率
サブプライムローンの延滞率は当然ながらプライムローンのそれより大幅に高く、12%前後に上る。
しかし近年、住宅価格上昇に歯止めがかかってきたために延滞率がさらに上昇しており、2007年1~3月期には14%弱にまで上昇している。
(図4)

2007年10月4日木曜日

卒論

1-ⅳ 焦げ付きと被害の拡大

・焦げ付きの原因

住宅バブルの加速-ITバブル(2001)の崩壊と緩和的資金供給

アメリカでは、2001年のITバブル崩壊に対処すべく、金利が引き下げられ、これによって金融が緩和的な状況が作り出された。
アメリカの住宅価格は92年に底をつけ、少しずつ回復していたところであったが、この緩和によって住宅ローンを組むための資金が十分すぎるほどに準備された。
また、ファニーメイ、フレディマックなどの政府との結びつきの強い機関が住宅ローンに対して保証を与え、証券化に一役買っていたが、バブル崩壊後には住宅ローン担保証券を大量に発行するだけでなく、デリバティブを導入することにより安価な住宅ローンを可能にした。
これによってブームが加速されたと考えられる。

また加えて、市民がさらにローンを上積みしてしまうメカニズムが、当時のアメリカには存在した。
住宅ローン会社は、担保たる住宅価格の上昇分を追加で貸し出すホームエクイティ・ローンを取り扱い、これが急速に浸透したのである。
これにより、返済の破綻を先送りしたり、消費を拡大するものが現れ、潜在的なリスクが累積していった。
しかし政府はこの明らかに危険な制度を、何の規制もなく放置した。
それは、ITバブルによる資産の減少を住宅価格の上昇による資産の増加が吸収し、消費を支えていたからである。
こうした観点から見ると、政府も住宅バブルをあおっていたといえよう。

また、投機としての住宅投資が拡大していたこともバブルの拡大に一役買っていたと考えられる。
アメリカでは、他国とは異なり投機的な要素が強かった。
2005年時点で、アメリカ人が購入した住宅の約4割がセカンドハウスであり、その4割の内訳を見てみると余暇目的のものは1割強にとどまり、残りの三割弱が投資目的であったという報告もある。
要するに、購入住宅の3割弱は投機目的の「住宅ころがし」であったのだ。

さて、ここで具体的なローン商品に目を向けてみる。
サブプライムモーゲージのなかでも、問題を深刻化した要因と考えられるものがハイブリッド型ARMと呼ばれるものである。
ARM(アジャスタブル・レート・モーゲージ)とは、一年ごとに利子を変更する住宅ローンで、たいてい1年もの国債利回りに2~2.5%のスプレッドを上乗せするものであるが、ハイブリッド型ARMにあっては、借り入れからはじめの数年間は返済利子を抑えたり、またあるいは元本をのぞく利子支払いのみを行わせ、代わりに一定期間が過ぎたあとの返済利率が跳ね上がるというものである。
これによって、借り手は本質的な返済負担から目を背けることができた。
自らの返済能力を無視した借り入れを行うようになったのである。
これは逆の観点から見ると、貸し手すなわち住宅ローン会社による無理な貸し出しと見て取ることもできるし、実際そうであった。
住宅ローン会社はローン商品のリスクについて十分に説明せず、これらの貸し付けを行い、自らは証券化によりリスクを逃れたのである。

・被害の拡大(拡散)要因
低信用層への住宅ローン貸し出しがこれほどまでグローバルな問題に変貌した背景として、先の段落の最後に登場した「証券化」の手法が大きな役割を果たした。
ここでいう証券化とは、サブプライムローン債権を対象にしたものである。
これらの証券には、RMBS/CMO/CDOなどの種類があるが、詳しくは後の当該項目で説明する。
証券化されたサブプライムローンは、さらに加工・分類され、それぞれのニーズに応じた各種金融機関を中心に世界各地にばら撒かれた。
そうした手法自体は問題ではなかったが、アメリカでは住宅投資の増大に伴って証券市場が過熱した活況を呈しており、そこで生まれたバブルもサブプライム関連商品とともに各地に拡散していってしまった。
これを助長したのが、民間の格付け機関による格付けである。
彼らは、リスクを正しく評価できていなかった(サブプライムローン問題が表面化してくると、いっせいに関連商品の格付けを落とした)のみならず、そもそも格付けするのに適切な立場ではなかった。
というのも、収入を格付けする商品の発行元から収入を得る現行のシステムの下では、利益相反がおこることが懸念されるからである。
しかしそうした格付け機関はすでに市場で確固たる地位を築き上げており、こうした格付け機関の格付けを市場が信頼して取引がなされたため、サブプライムローンに関連した証券化商品はその本質的なリスクを認知されないまま広く世界にいきわたったのである。